突然ですが、皆さんは「フェルミ推定」と言うのご存じですか?
論理的思考を測る上でとても有効なフェルミ推定ですが、近年では外資系コンサルティングファームの選考過程で使われることでも有名です。
フェルミ推定、苦手意識を持つ方も多いようですが、実は訓練すればするほどスラスラ解けるようになる特徴があります。
そこで今回は、「フェルミ推定って何?」「何の役に立つの?」と言う方でも分かりやすいよう、簡単な例題と共に解き方を解説します。
編集長
最近のコンサルティングファームでは、フェルミ推定とケーススタディを組み合わせた「ケース面接」が主流になっていますが、いずれにしてもフェルミ推定の知識は必須ですね。
それでは早速見て行きましょう。
もくじ
1.フェルミ推定とは?
フェルミ推定とは、一言で言うと一見予想もつかないような数字を、論理的思考力を頼りに概算することです。
有名な出題に、以下のようなものがあります。
- 日本には車が何台あるか?
- 東京都にある電柱の数を求めよ
- 日本の歯ブラシの市場規模を求めよ
慣れてない方は、「はぁ?何言ってるの?知るわけないじゃん」ですね?僕もそうでした。
でも、フェルミ推定ができると、思った以上に仕事に役立ちます。
たとえば新しい商品企画を立てる際、市場規模から見込み顧客数や売上見込みを求めますね。
でも、この市場規模が分からなかったりします。
自動車であれば統計資料にありますが、例えばワイパーの市場規模は?と言われても、ニッチすぎて統計資料にはのってませんね。
でも、車の市場規模が分かれば、ワイパーは車1台に必ず2~3本ついているわけで、なんだか算出できそうですよね?
このやり方を示したのがフェルミ推定と言うわけです。
編集長
2.フェルミ推定には基礎数値が必要
実際にフェルミ推定をやる前に、一つ大事なことがあります。
それは最低限の基礎数値は頭に叩き込んでおく必要があるということです。
フェルミ推定は「ざっくりしたデータから、よくわからない数値を概算する」ことですが、それでもある程度の基礎数値が頭になければ概算できませんね。
詳細は応用編に書きますが、基礎として、まずは下記の数値を丸暗記するようにして下さい。
<覚えておきたい基礎数値>
・日本の総人口:1.2億人
・1年に産まれる子供の数:約100万人
・日本の労働力人口:約6,000万人
・日本の平均寿命:80歳
・日本の世帯数:5,000万世帯
・日本の国土面積:約40万平方km
・都市部と農村山岳部の比率:1対9
・大学進学率:約50%
・大企業の数:1.2万社
・中企業の数:420万社
編集長
直観的にわかる数字ばかりですね。ここは特に考える必要はありません。丸暗記しておきましょう。
3.フェルミ推定は簡単な問題から!
先にも書きましたが、フェルミ推定は訓練を積み重ねることでスラスラ解けるようになります。
ただ、始めに難しい問題を見せられることで、苦手意識を持ってしまう方が多いのが残念です。
個々ではとても簡単なフェルミ推定を解いてみます。
段階を踏めば誰でも難問を解けるようになりますので、まずは「なんだこんな程度か」という感覚を持ってくださいね。
それは早速行きましょう!
全国に男性は何人いますか?
日本の総人口は1.2億人。
半分が男性だと仮定すると、
日本の男性の数は6,000万人と試算できます。
幼稚園から大学まで、生徒は何人いますか?
日本の出生人数は毎年およそ100万人。
幼稚園は3学年
小学校は6学年
中学校は3学年
高校生は3学年
大学生は3学年
幼稚園~高校までは進学率100%と仮定
大学生は進学率50%と仮定
すると計算式は
「100万人✕15学年分+100万人✕3学年分✕0.5」で
およそ1,650万人が答えです
日本に電柱は何本ありますか?
街を見ると、だいたい50m×50mあたり1本の電柱がありそう。
田舎はだいたい200m×200mあたり1本と仮定。
都市部と田舎は1対9くらいと仮定。
日本の総面積はだいたい40万平方キロメートルなので、
・都市部の面積=40万平方キロメートル×0.1
・田舎部の面積=40万平方キロメートル×0.9
・都市部の電柱の数=4万平方キロメートル×(1,000×1,000)/(50×50)
・田舎部の電柱の数=36万平方キロメートル×(1,000×1,000)/(200×200)
足し合わせると
・日本の電柱の数=4万×10000/25+36万×100/4
=約2500万本
編集長
実際の数は3592万本ですので、大外れではないですがもう少し精度を上げないとですね。でも、そのくらいの軽い気持ちで取り組むのが、フェルミ推定上達のポイントですよ!
4.フェルミ推定への恐れを無くす
さて、ささ~っと3つほど解いてみましたが、いかがでしたか?
「意外と簡単」「結構単純?」
そう思った方が多いと思いますが、その感覚が大事なんです。
ちなみに3問目の問題は、実際にフェルミ推定で良く出される難易度です。
こうした問題を「基礎問題」として繰り返すことで、フェルミ推定に対する恐れはなくなってきます。
なぜなら、実際に使っている計算は小学生でも解ける四則演算ですから。
また、もう一つ大事なのが、フェルミ推定は必ずしも正しい答えを求めていません。
あまりにも桁外れのズレだと問題ですが(日本に電柱が100億本あるなど)、そうでなければ、それらしい数字と論理的な説明があればクリアできます。
是非そうした気楽な気持ちで臨むようにして下さいね。
5.応用編へ!
フェルミ推定への恐怖心が薄れたら、ぜひ応用編へ進んでみてください。
論理的思考力を磨くことで、コンサルファームの面接対策だけでなく、説得力のある話し方やプレゼン能力を身に着けることができますよ!
編集長

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