近年よく耳にする「コンサルティングファーム」。
東大生・京大生の就職先ランキングで上位を占めるなど、何かと注目を集めていますが、実態はどうなっているのでしょう。
今回は、今注目のコンサルティングファームの中でも、特に総合系と呼ばれているファームについて解説します。
編集長
それでは早速見て行きましょう。
もくじ
1.コンサルティングファームとは
コンサルティングファーム(consulting firm)とは、企業の抱える経営課題に対し、事業戦略や業務オペレーション改革、システム構築などの手段を駆使して解決にまで導く企業のことです。
誰もが聞いたことのあるような大手企業から中小企業まで、顧客の規模や業界、事業特性に応じてさまざまな課題を解決に導いてくれます。
そしてそこで働く人たちは「コンサルタント」と呼ばれ、高いスキルと問題発見力・解決力を求められる替わりに、高い年収とステータスを獲得しています。
特に外資系の戦略系コンサルファームは人気で、東大生・京大生の就職先ランキングで上位を占めるなど、就職に転職にと、その人気は高まる一方です。
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2.総合系ファームとは
コンサルティングファームのお仕事は、戦略系、業務系、IT系の3つに大別されます。
そしてこれらすべてをカバーしているのが総合系ファームです。
<コンサルティング案件の種類>
上の図を見ると一目瞭然ですね。
総合系ファームの代表は5つです。
①デロイトトーマツコンサルティング:DTC
②PwCコンサルティング
③EYストラテジー・アンド・コンサルティング
④KPMGコンサルティング
⑤アクセンチュア:Accenture
中でもデロイト・PwC・EY・KPMGの4社は「Big4(ビッグフォー)」と呼ばれ、監査法人を母体としたコンサルティングファームとして有名です。
特徴は、監査法人をグループ内に有しているがゆえに、公平性を期すためにシステム開発の受託が法律で禁止されている点です。
ビッグ4がシステム開発部隊を持たず、やるとしてもPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)に留まっているのはこのためです。
システム開発にはあまり興味なく、純粋にコンサルティングに従事したい人に向いています。
一方でアクセンチュアは監査法人とは独立していますので、システム開発・運用・保守含め、ありとあらゆる業務を内製化しています。
アクセンチュアとビッグ4の大きな違いとして押さえておきましょう。
3.総合系ファームの位置づけ
次に、総合系ファームの業界内の位置づけを確認しましょう。
<総合系ファームの位置づけ>
国内コンサルティング市場における規模や存在感は、
・アクセンチュアが規模的とカバレッジでリード
・PwC、デロイトは2番手グループ
・EYは社長がイケイケで急拡大中
・KPMGは存在感が薄く草食系
と言ったところ。
また、(日本)IBMは国内IT系にくくりましたが、海外ではアクセンチュアと共に超ビッグファームとして有名。
ですのでアクセンチュア、デロイト、PwC、IBMの4社間で、「いけす」のようにぐるぐる渡り歩くコンサルタントもいたりします。
そんな総合系ファームですが、なんだかんだで戦略系ファームにはコンプレックスがあります。
特にマッキンゼーとボスコンが出てくると引け目を感じることも…
一方で日系IT系ファームに対しては一線を画しており、プライドもあって日系ファームとは一緒にされたくないのが本音でしょうね。
編集長
もちろん、コンペでは各社勝ったり負けたりで、仕事内容にも寄りますが戦略系が常勝と言うわけでもありません。これは、いくら戦略系/総合系/IT系と分けたとしても、結局はヒトに尽きるということを表しています。
4.総合系ファーム各社の特徴
ここでは1社ずつ特徴を見ていきます。
デロイトの特徴
・業務改革などの業務コンサルがメイン
・ビッグ4の中では1歩リード
・近年はデジタル領域を強化中。現在コンサル要員は2,000人ぐらい。
・昔は新卒からきちんと育てる文化だったが、今は中途の増加で品質維持に苦労か?
・幹部が他の総合系ファームに部下もろとも引っ越し中。成長は鈍化か?
・国内は、グローバルワンファームというよりデロイトブランドを借りながら日本人経営メンバが経営
・文化は官僚的とのうわさも。まじめで勉強ができる人が多い印象。
PwCコンサルティングの特徴
・監査系ではデロイトとPwCが2強
・デロイトの勢いが鈍化したせいか、PwCの勢いが目立つ
・人数規模は2,000~3,000人ぐらい
・業務系に加えIT系に対応。戦略はブースを買収してStrategy&に
・他総合ファームが戦略部隊を同ブランドで展開する中、PwCだけは別ブランドで展開中。
経営、採用、評価などもStrategy&は独立している様子
・中途入社がメインで大人の付き合い、育ちが良さそうな人が多い印象
・働き方もアクセンチュアやデロイトと比較して無理はしないスタイル
EYの特徴
・デロイトとPwCが2強な中、国内監査系では2弱の一角
・デロイトで括約した近藤氏が社長に就任し、直近、人員拡大により急拡大中
・経営幹部も大移動中?コンサル部隊は1,500人ぐらいの規模。
・戦線拡大し過ぎて質が追い付いていないという噂も
・監査対応の顧客にコンサル禁止のため、EYは監査が強くコンサルが弱かったが、最近は逆転か?
KPMGの特徴
・国内コンサル市場で存在感が薄い
・草食系との声もちらほら
・ノルマも緩め。他のビッグ4がパートナー20億円ノルマに対し、KPMGは「そんなことはない」
・マネージャーはもちろん、シニアマネージャーにも直接的なセールスノルマ無し
(セールスノルマが評価に直結するのはディレクタークラスから。基本的にはデリバリーの稼働が大事)
・ビッグ4らしく金融系が得意。内部統制・リスク管理・会計領域なども強い
・コンサル要員は1,000人ぐらいの規模
・転職活動をしていても「Why?KPMG」が掴みにくい
アクセンチュアの特徴
・グローバルで50万人以上、日本でも1万2,000人以上を抱えるコンサルの総合商社
・戦略、業務、システム、デジタル、アウトソーシングなどのフルサービスを展開
・実システム開発やアウトソーシングを除くコンサル要員は4,000~5,000人ほど
・近年はデジタル領域でも存在感
・グローバルでもIBMを脅かす存在に
・戦略部隊にはMBBからの転職者も多数
・働き方改革を推し進め、ホワイト企業と思われる企業に
・しわ寄せがマネジャー/シニアマネジャーに行っていてエース級は忙しそう
・米系コンサルっぽいカルチャーでわいわい騒がぐのが好きな人向け
・「ギラギラして苦手」と言う人も
5.総合ファームの戦略チーム vs 戦略系ファーム
総合系ファームは戦略機能の強化に躍起です。
例えばPwCによるブースの買収、デロイトによるモニターの買収、アクセンチュアによるカートサーモンの買収など、総合系ファームによる戦略系ファームの買収事例は多数あります。
これは、戦略系の仕事がしたければ、戦略系ファームか総合系ファームの2択になるということを意味します。
どちらに行くべきかは人によって異なりますが、少なくとも戦略策定だけをやりたければ、迷わず戦略ファームに行くべきでしょう。
戦略コンサルタントのUP or OUTの文化が多少緩やかですし、戦略系ファームよりは腰を落ち着けて仕事できます。
単純に戦略系案件よりもIT系案件の方が規模が大きく稼ぎやすいため、パートナーやディレクターになりやすいというのもあります。
戦略だけで年間5億円稼ぐバートナーと、開発案件のPMO含め年間20億円稼ぐパートナーとでは、後者の方が圧倒的に評価されますからね。
6.総合系ファームに入るには
高度な知識や顧客折衝経験が必要なコンサルタントですが、旺盛な求人需要が追い風となり、20代であれば「ポテンシャル採用」で、未経験者でも充分に転職可能です。
また、35歳くらいまでであれば、プロジェクトに対して責任を持つ「マネージャー」といった役職で、年収アップをしながらの転職も可能です。
35歳を超えると、新規営業含め相当の顧客獲得が求められる「シニアマネージャー」ポジションでの採用になりますが、さすがに未経験者にとっては狭き門です。
事業会社で相応のポジションだった人が、顧客とのコネクションを引き継いで転職するようなケースに限られるでしょう。
未経験から総合系ファーム目指す場合は、できるだけ若いうちに、比較的初級のランクから入るのがおすすめですね。
ちなみに、コンサルタントとしての転職を目指している方はアクシスコンサルティングがおすすめです。
じっくり長期視点で相談に乗ってくれますし、何より情報量とコネクションがハンパないです。
また、コンサルタントに興味はあるが、今すぐに動くわけではない方はビズリーチがおすすめです。
様々なエージェントからスカウトが来ますので、自分の市場ニーズを知ることができますし、気になったスカウトだけに返信すればよいので、ゆっくり構えたい方に最適ですね。
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7.まとめ
今回はコンサルティングファームに注目し、その位置づけと代表企業、各社の特徴等について解説しました。
給与面、ステータス面、自己成長面など、様々な側面から注目が高まるコンサルティングファーム。
やりがいがある一方で、相当の能力とストレス耐性が求められます。
そうしたことから、特に若いうちに経験を積み、コンサルティングファームで自らを高めた上で、事業会社などに役員クラスで転職する人も多数います。
もちろん、コンサルティングファームで上り詰め、パートナーとして年収1億越えの人もいます。
キャリアは自分で作る時代です。戦略的に動いて行きましょう!
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