近年よく耳にする「〇〇コンサルタント」のお仕事。
なかでも「ITコンサルタント」は、耳にする機会も多いと思います。
なんとなく「年収が高そう」「華やか」といったイメージのあるITコンサルタントですが、その仕事内容はどういったものでしょうか?
今回は、今注目のITコンサルタントについて分かりやすく解説します。
編集長
私自身も、某ファームでITコンサルタントとして活動しています。転職活動についても経験豊富ですので、そのあたりの経験も踏まえ紹介していきますね!
それでは早速見て行きましょう。
もくじ
1.ITコンサルタントとは?
ITコンサルタントとは、IT(情報技術)を駆使して、顧客の経営・事業に価値貢献する職業です。
具体的には、経営戦略を踏まえIT戦略を定め、システム化のグランドデザインを策定。経営視点でシステムの最適化を図り、企業の経営課題の解決に寄与するお仕事です。
ITコンサルタントの中には、実際にシステム開発プロジェクトで進捗管理やユーザーテストに関わり、プロジェクトマネージャーのサポートをする人もいます。
現状分析に始まり課題抽出・原因分析し、改善策を提案しつつ、顧客ニーズにあったシステムや技術の導入まで支援する。
ITコンサルタントの仕事内容は非常に多岐にわたるんですね。
編集長
クライアント企業のビジネス目標を達成するために、ITで解決すべき課題は何か?効果を最大化するために、経営視点でシステムをどう活用すべきか?そうしたことを行う職業なんですね。
2.ITコンサルタントの仕事内容
ITコンサルタントにとって現状把握と問題特定はとても重要です。
なぜなら、問題特定を間違えると、その後の打ち手も見当違いなものになるからです。
ITコンサルタントはまずクライアント企業の現状調査を行い、事業や業務・ITについて、どこに問題があるのかを特定します。
そのために、顧客企業の業界特性や企業情報、市場動向などの様々な情報も把握しておく必要があります。
問題を特定したら、次は原因分析です。
顕在化している事象⇒問題点⇒原因と掘り下げていき、根っこにある真の原因を特定します。
真の原因まで突き詰めたなら、具体的な打ち手は何か?解決すべき課題は何か?いつまでに何をすればいいのか?といったことを検討し、クライアントに提言します。
提言内容は、もちろんIT起点のものです。打ち手の実現に向け、どういったシステムが最適か?ITの専門家の視点で検討し尽くし、提言に繋げます。
もちろん、すべての課題がITで解決できるわけではありません。
業務プロセスに問題があれば業務コンサルタントと連携して解決にあたりますし、人事制度や処遇、組織設計面で問題があれば人事・組織系のコンサルタントと協業します。
また、人によっては、システム導入プロジェクトの立ち上げや、実際の開発プロジェクトのプロジェクトマネジメント支援にまで踏み込むこともあります。
この場合は、特にSEとしての経験が役立ちますね。
編集長
経営課題の解決に貢献するコンサルタントと言う意味では、戦略/経営/ITコンサルタントのいずれも同じですが、ITの専門家の知見を持って、ITサイドのアプローチで課題解決に当たるのがITコンサルタントと言うわけです。戦略/経営/ITコンサルタントの違いについてはこちらの記事が参考になります。よくわからないという方はあわせてチェックして下さいね。
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3.ITコンサルタントとファーム
ITコンサルタントは、そのほとんどがコンサルティングファームに所属します。
コンサルティングファームとは、ITコンサルタントに代表されるコンサルタントが多数在籍し、様々な企業に対してコンサルティング活動を行う会社のことです。
コンサルティングファームは、経営戦略に特化した「戦略系ファーム」、経営・業務・組織・ITに関するあらゆる課題をカバーする「総合系ファーム」、IT領域に特化した「IT系ファーム」の3つに大別されます。
ITコンサルタントは、IT系のコンサルティングファームに多く所属する傾向にありますが、ITに軸足を置きつつ、より戦略面に強みのある人は戦略系ファームに、より経営・業務課題に強みを持つ人は総合系ファームにと、その活躍に境はありません。
どこに軸足を置くか?が重要で、ITコンサルタントはその名の通り、ITに軸足を置いてコンサルティング活動を行うたコンサルタントなんですね。
4.ITコンサルタントのやりがい
ITコンサルタントのやりがいは大きく3つです。
1.ITに関する高い専門性で、顧客の経営課題を解決できる
2.ITを軸にして、多くのプロフェッショナルとコラボできる
3.1,000万円~2,000万円クラスの高年収が狙える
一つずつ見てみましょう。
1.ITに関する高い専門性で、顧客の経営課題を解決できる
ITコンサルタントは、会社視点の課題解決を目指し、顧客企業の社長や役員、部長層などと日々接触します。
経営視点に立った話ができるという点で、ITコンサルタントはとてもやりがいのあるお仕事です。
ITに関する高い専門性を要求されますので、特に年配の経営者から重宝されることが多いです。
役員層含め、クライアントと一丸となりながら課題解決に取り組むため、課題が解決できた際にはとても感謝され、大きな達成感を得られます。
編集長
顧客に感謝され、「ありがとう!」と言われた時には、言葉には表せない達成感が得られますよ!
2.ITを軸にして、多くのプロフェッショナルとコラボできる
企業経営において、ITは必要不可欠な存在です。
なぜなら、今や手作業で完結する仕事はほとんどなく、電子化が当たり前になっているからです。
業務を変えるにもシステムが必要。人事制度を変えるにもシステムが必要。組織をコントロールするにもシステムが必要。
ITコンサルタントは、そのすべての領域について関与する必要があります。
でも、一人の人間でできることにはもちろん限界があります。
ITコンサルタントは、ITに関する知見を活かしながら、様々な専門家をつなぐ「ハブ」の機能が求められます。
当然、様々な専門家とコラボしますので、より広い知識・スキルが身につき、大きなやりがいを感じることになります。
3.1,000万円~2,000万円クラスの高年収が狙える
ITコンサルタントは、その高い専門性から、高い年収が得られる職種です。
大手コンサルティングファームの平均年収は1000万円を超えていますし、例えば転職サイト大手のリクナビを見てみても、ITコンサルタント募集で年収1000万円以上の求人が多数掲載されているのが分かります。
年収は高いに越したことはありません。
実際に頑張った分が懐に入れば、当然やる気もUPですね!
5.ITコンサルタントに求められるスキル・素養
主に必要なスキル・素養は5つです。
1.論理的思考力(ロジカルシンキング)
2.課題解決力(やりきる力)
3.表現・コミュニケーション力
4.技術力
5.ストレスのコントロール力
一つずつ見て行きましょう
1.論理的思考力(ロジカルシンキング)
コンサルタントにとって、論理的思考はとても重要です。
なぜなら、論理がしっかりしていなければ、関係者を納得させることができないからです。
「問題⇒原因⇒真の原因⇒打ち手」と繋がるロジックが理論整然としている必要があります。
編集長
2.課題解決力(やるきる力)
いくら論理的思考がしっかりしていて、問題を引き起こす原因を特定できたとしても、そこから最適な解決策を導けなければ意味がありません。
「問題⇒原因⇒真の原因⇒打ち手」と繋がるロジックでゴールを決めるのは「打ち手」です。
最適な「打ち手」を提案するには、クライアント企業の業界や事業特性に関する理解と、ITに関する深い専門性が必要です。
さまざまな課題や解決方法に向き合いながら、メリット・デメリットを冷静に見極め、それらを総合的に検討し、判断していく能力が求められます。
3.表現・コミュニケーション力
どれだけ論理がしっかりしていて、課題解決力があったとしても、その人自身の信用がなければ受け入れてもらえません。
コンサルタントにとって一番重要なのは、人とのコミュニケーション力と言っても過言ではないくらいです。
「人間力」ともいえるこの能力、ご自身の個性を活かしながら、日々精進するしかありませんね。
4.技術力
ITコンサルタントは、常に最新のIT技術に関する知見を得る必要があります。
なぜなら、クライアントと接する中で「最近、○○の領域はどうですか?」「○○を活用して、他社ではどういった取り組みをしていますか?」と言った問いかけが常に投げかけられるからです。
常に最新の技術や業界の動向を知るための努力が欠かせませんね。
編集長
あらゆるセミナーがオンライン対応になったことはむしろ好都合です。移動時間が無くなりますから、そこはプラスに捉えて、どんどん新しい知識を吸収して行きましょう!
5.ストレスのコントロール力
高年収のコンサルタントには、相応の売上ノルマが課せられます。
とあるコンサルティングファームでは、マネージャー職に1億円以上の年間売上を求めています。
もちろん、パートナーやシニアマネージャーのサポートがありますが、相当な金額であることに変わりはありません。
企業によっては、売り上げ目標を達成しないコンサルタントは評価されませんので、数字に対するプレッシャーには耐える覚悟が必要です。
また、高額のコンサルフィーを払うクライアント企業からも、相応の成果を期待されます。
課題解決のためにやらなければいけないことは多く、ハードな働き方に耐えられる体力を持っている人ではないと務まらないと言えます。
編集長
コンサルタント未経験の人が、いきなりシニアマネージャーのような上位ポジションで転職すると大変苦労します。未経験の方は、できるだけ若いうちに、アソシエイトやコンサルタントと言った初級ポジションで転職するのが上策ですね。
6.ITコンサルタントのキャリアパス
ITコンサルタントには、システムに関わる広く深い知識が必要です。
システムエンジニア(SE)やプロジェクトマネジャー(PM)などを経験したのち、ITコンサルタントになるケースが王道です。
ただ、最近ではシステム開発経験を積むことなく、新卒からいきなりITコンサルタントになる人も多いです。
これは、SAPに代表されるパッケージ製品や、ServiceNowに代表されるSaas製品が登場し、昔のようにフルスクラッチ開発が要らなくなっていることに寄ります。
開発スキルがなくても、ある程度なら補完できるんですね。
また、ITコンサルタントとして活躍した後のキャリアパスは、主に以下のようなものです。
- 転職して、事業会社のCIOとして活躍する
- 転職して、他のコンサルファームでタイトルアップを狙う(外資系が多い)
- そのままのファームでタイトルアップを狙う
- そのままのファームで後進育成などにあたる(日系が多い)
- 事業会社の経営・IT企画部門などに転職する
CIOになれる人はごくわずかですが、なれればITコンサルタントとしては「あがり」ですね。
編集長
コンサルティングファームを経験した後、事業会社の情報システム部門に転職する人もいます。この場合は、給与面では見劣りするかもしれませんが、時間面でメリットが得られます。正解はありません。何が良いかは価値観の問題ですね。
7.ITコンサルタントの動向
現在、ITに関するニーズはうなぎのぼりです。
ITなしでは競争優位が得られませんので、各社こぞってIT投資を増やそうとしています。
当然、ITコンサルタントに対する需要も旺盛で、ITコンサルタントは今後ますます有望な職種と言えそうです。
また、海外現地法人を持つ日本企業などは、その経営の可視化や効率化を行うために、日本との橋渡し的な役割をITコンサルタントに求めています。
英語が必須になりますが、逆に英語ができるITコンサルタントになれれば、活躍の場はとても広がりますね!
8.未経験でITコンサルタントを目指すには?
高度なIT知識や顧客折衝経験が必要なITコンサルタントですが、旺盛な求人需要が追い風となり、20代であれば「ポテンシャル採用」で、未経験者でも充分に転職可能です。
また、35歳くらいまでであれば、プロジェクトに対して責任を持つ「マネージャー」といった役職で、年収アップをしながらの転職も可能です。
35歳を超えると、新規営業含め相当の顧客獲得が求められる「シニアマネージャー」ポジションでの採用になりますが、さすがに未経験者にとっては狭き門です。
事業会社で相応のポジションだった人が、顧客とのコネクションを引き継いで転職するようなケースに限られるでしょう。
ITコンサルを未経験から目指す場合は、できるだけ若いうちに、比較的初級のランクから入るのがおすすめです。
編集長
9.まとめ
今回はITコンサルタントに注目し、その仕事内容やキャリアパス・求人傾向を解説しました。
ITに関する高い専門性で、顧客の経営課題を解決できるITコンサルタントは、今大注目の職業です。
給与も1,000万円~2,000万円クラスと高く、とてもやりがいのある職業ですが、一方で仕事はハード。
それなりの能力とストレス耐性が求められます。
そうしたことから、特に若いうちに経験を積み、自らを高めた上で事業会社などに役員クラスで転職する人も多数います。
キャリアは自分で作る時代です。戦略的に動いて行きましょう!

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